既卒と第二新卒は、言葉が似ているだけで応募できる求人がまったく違います。231社の応募資格を1社ずつ読むと、その差は183社と92社——ちょうど2倍でした。
自分がどちらに当たるかで、受けられる会社が半分になることもあります。まず境界線を、次に「どちらが有利か」を数字で見ていきます。
この記事でわかること
- 既卒と第二新卒を分けている一点は「正社員として働いたことがあるか」
- 応募できる会社数は既卒183社・第二新卒92社で、既卒のほうが多い
- どちらとも言いにくいケース(派遣・契約・アルバイト・短期離職)の扱い
目次
違いは一点だけ——正社員として働いたことがあるか
| 既卒 | 第二新卒 | |
|---|---|---|
| 正社員の経験 | ない | ある(卒業後に就職した) |
| 学校は | 卒業済み | 卒業済み |
| よく使われる期間 | 卒業後おおむね3年以内 | 就職後おおむね3年以内 |
| 企業から見た関心 | なぜ新卒で就職しなかったか | なぜ辞めたか |
分かれ目は「正社員として働いたことがあるか」だけです。卒業してからの年数でも、年齢でもありません。
「第二新卒」に公的な定義はありません。厚生労働省が定義しているのは既卒(卒業後3年以内の未就職者を新卒枠で扱うよう求める通達)のほうで、第二新卒は採用の現場で使われている言葉です。そのため企業ごとに範囲が違い、要項の文面を読むしかありません。
応募できる会社の数は、既卒のほうが2倍多い
ここが見落とされがちなところです。「一度就職した第二新卒のほうが有利」と思われがちですが、大手の新卒枠に限ると逆でした。
| 要項の書き方 | 社数 | 既卒 | 第二新卒 |
|---|---|---|---|
| 就労経験を問わない | 92社 | ○ | ○ |
| 「正社員としての就業経験がない方」 | 91社 | ○ | × |
| 既卒について記載なし | 32社 | △ | △ |
| 応募できる合計 | 183社 | 92社 | |
91社が「正社員経験なし」を条件にしています。三菱商事、伊藤忠商事、三井不動産、日本製鉄、JTB、三菱UFJ銀行——名前を知っている会社が並びます。これらは第二新卒だと要項の時点で対象外です。
理由ははっきりしています。この91社が使っているのは「新卒枠」だからです。新卒と同じ研修・同じ初任給・同じ配属で受け入れる仕組みなので、他社での勤務経験がある人は前提から外れます。
第二新卒が受けるのは、別の入口
とはいえ第二新卒が不利という話ではありません。入口が違うだけです。
第二新卒が使う入口
- 就労経験を問わない92社の新卒枠——既卒と同じ土俵で受けられる
- キャリア採用・経験者採用——通年で募集があり、締切に追われない
- 転職エージェント経由の求人——第二新卒向けの求人が最も多い経路
既卒との最大の差は「締切」です。新卒枠は年に1回で、商社などは9月時点で27卒の受付がほぼ終わっています。一方キャリア採用は通年。第二新卒は時期に縛られません。
どちらとも言いにくいとき
実際にはきれいに分かれないことのほうが多いはずです。要項の書き方に沿って整理します。
| あなたの状況 | 多くの要項での扱い |
|---|---|
| アルバイト・パートのみ | 既卒(正社員経験にあたらない) |
| 派遣・契約社員のみ | 既卒として扱う会社が多いが、要項次第。応募前に問い合わせる |
| 正社員で入社し、研修中に退職 | 第二新卒(在籍期間の長短は問われない) |
| 内定辞退・内定取消で未就業 | 既卒 |
| 卒業後ずっと就職活動 | 既卒 |
迷ったら、ここを見る
自分がどちらかを先に決める必要はありません。応募したい会社の要項に「正社員としての就業経験がない方」と書いてあるかどうか——見るのはそこだけです。
書いてあれば、正社員歴がある人は出せません。書いていなければ、どちらでも出せます。肩書きではなく、その一文で決まります。
卒業からの年数は、別に数えられている
正社員経験の有無とは別に、卒業からの年数にも条件があります。上限が読み取れた137社の内訳です。
| 卒業からの上限 | 社数 |
|---|---|
| 3年以内 | 71社 |
| 上限なし | 40社 |
| 4年以内 | 7社 |
| 2年以内 | 5社 |
| 1年以内 | 5社 |
| 卒業見込みのみ | 9社 |
「3年」がよく言われるのはこの71社が最多だからですが、上限を設けていない会社も40社あります。3年を過ぎていても終わりではありません。
面接で聞かれることも違う
| 必ず聞かれること | 面接官が確かめたいこと | |
|---|---|---|
| 既卒 | なぜ新卒で就職しなかったか/卒業後に何をしていたか | 空白の期間に何を考えていたか |
| 第二新卒 | なぜ辞めたか/次も同じ理由で辞めないか | 同じことが繰り返されないか |
どちらも謝罪から入らないのが共通の要点です。事実を短く述べて、いま何を考えているかで締めます。「本人も不利だと思っている」と受け取られると、そこから挽回するのに時間がかかります。
自分がどちらか確認したいとき
派遣や契約社員の経験がある、短期で辞めた——要項のどちらに当たるか判断しづらいケースは、キソオテの公式LINEでお答えしています。
まとめ:肩書きではなく、要項の一文で決まる
この記事の要点
- 違いは「正社員として働いたことがあるか」だけ
- 大手の新卒枠で応募できるのは既卒183社・第二新卒92社。既卒のほうが多い
- 91社が「正社員経験なし」限定。第二新卒は対象外
- 第二新卒はキャリア採用という通年の入口がある(締切に追われない)
- 自分の肩書きを決めるより、要項の一文を読むほうが早い